非接触給電

パソコンや電子機器には色々な信号が使われていますが、電源を含めて接続ケーブルが複雑になっています。この中でLANやキーボードも、無線や赤外線で通信でき、次は電力もアダプターケーブル無しの非接触で、接続できる必要性が叫ばれています。電源と信号ともに接続ケーブルが無くなると現在の携帯無線のようにどこでにでも置け、便利性が非常に高まります。この方法がワイアレス給電と言われていて、いくつかの方式が考えられています。

ワイアレス給電の方式

(1) 磁界結合方式
図1のようにトランス結合のような方式で電磁誘導現象を利用して空間を通して離れたコイル間で電力の給電が可能な方式です。この現象をファラディーの法則とも呼ばれていて有名な法則です。現在電動歯ブラシなどに使われていて、水濡れ対策として効果を挙げています。しかし、磁束が供給側の1次コイルから負荷側の2次コイルにいく磁束を通り易くするためとコイルのインダクタンスを大きくするためにコアを入れてできるだけ磁束が漏れないようにする必要があります。また巻線のほうも周波数が高いため表皮効果近接効果などにより損失が大きくなりコイルの巻線にリッツ線を用いる必要があります。また漏洩磁束はギャップが短くできるときはギャップの周辺だけで済みます。

(2) 電磁界結合方式(共鳴方式)(MIT方式)
図2のように発振器から出でた電磁界をaコイルから空中線のアンテナのように電磁界で出し、bコイルで指向性をつけて負荷のcコイルに送って負荷のcコイルに起電力を電力として使用する方式。

図1.電磁結合方式

図2.電磁界結合方式

図3.電界結合方式

真ん中の(b)コイルの向きの角度によって出力電力が変わり、かなり離れていても電力を伝送することができる。2008年にMITがこの磁気共鳴方式を用いて数mの距離を離しても電力を送電できることを実証した。ただし電磁界強度はかなりのレベルになり現状の規制値にはとてもクリアーできないレベルです。

(3) 電界結合方式
図3のように発振器からLC(L、C1、C2)を通して負荷に接続される。LCを共振にすると発振器の出力はそのまま負荷に供給されます。この方式は絶縁しているコンデンサの距離が短い必要がありますが、受信側の重量は銅を使わなくて済み非常に軽くできます。伝送ロスも、結合しているコンデンサのロスでによって決まりますが、コンデンサのロスはコイルのロスに比べると格段に少なくできます。つまり伝送経路のロスを少なくできます。

(4) その他(光、赤外線、音波など)
その他、ワイアレスで電力を送る方法には光にして送る方法、紫外線にして送る方法、音にして送る方法などがありますが実用化にはまだまだの状況です。

電界結合方式では電極間の容量があまり取れないのでMHzの周波数で設定します。仮に2MHzとしても波長は150mにもなるので、電極の大きさに比べて非常に長いため、電波障害は出にくくなります。

当社では今回電界結合方式を使って効率良いフリーポジション(場所を固定しないで給電することができる方式)の非接触給電を完成し、ROHM(株)殿に納入し、シーテックジャパンに展示しました。

SiC製のトレンチ型MOSFETを利用したインバータ

デモの様子